そもそも「賞味期限」って何?

「以前は、賞味期限を1日でも過ぎたものは食べたくないと思っていましたが、賞味期限の仕組みや消費期限との違いを知るほど、賞味期限切れは気にならなくなりました」

賞味期限とは、メーカーが「おいしく食べられる品質を保証する期限」のこと。一方、消費期限とは、傷みやすい食品が「安全に食べられる期限」のこと。消費期限が過ぎれば安全性は確保されない。この二つの期限は混同されやすく、多くの人に「賞味期限切れ=危険」と思われているのが現実だ。また、メーカー側は商品回転率をアップさせたい思惑から、賞味期限を短く設定しているケースもあるという。

さらに、食品流通の世界には「3分の1ルール」というものがある。賞味期限の3分の1が“納品期限”とされ、それを経過した商品は小売店へ納入されず店頭に並ばない。そこからさらに3分の1を経過した日が“販売期限”とされ、店頭から撤去されて廃棄されたり、見切り品として値引き対象となったりする。こうした商習慣が、食品ロスを生む原因にもなっているのである。

この商習慣を変えることは店舗のイメージダウンにつながりかねないため、変えることはなかなかできないのが現状だ。しかし食品ロスに対する消費者の意識も変わってきた。数字(期限日)をうのみにせず、においや見た目なども確認してから判断する消費者が増えれば、食品ロスは大きく削減に向かう可能性がある。そんな消費者を1人でも増やすための強力な啓発活動を行っていきたい。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *